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【第五回】功ある者には禄を、徳ある者には地位を(1)

「評価」それ自体が目的になってはならない

春は出会いと別れの季節。皆さんのお会社でもこの春、タテヨコナナメ、いろいろな人の往来があったのではないでしょうか。

「律令」選叙令 9(遷代条)より…。

9 一最以上有四善。為上上。
凡初位以上長上官遷代。皆以六考為限。
六考中々。進一階叙。
毎三考中上。及二考上下。並一考上中。各亦進一階叙。
一考上々。進二階叙。其進加四階。及計考応至五位以上。奏聞別叙。(以下略)

(意訳
一初位以上の位階を持つ常勤の者に、叙位・加階をする場合には、六考(六年間の勤務評定)をもってせよ。
六考とも「中々」の評価(考)の者は、一階級昇進させよ。
六考のうち三考が「中々」で、残り三考が「中上」ならば、もしくは
六考のうち四考が「中々」で、残り二考が「上下」ならば、もしくは
六考のうち五考が「中々」で、残り一考が「上中」ならば、さらに(プラスして)一階級昇進させよ。
六考のうち一考でも「上々」ならば、さらに(プラスして)二階級昇進させよ。
ただし、一度に四階以上昇階する場合と、五位(貴族)以上に達する場合は、天皇に奏聞しなければならない。

「第4回でご紹介した職務能力評価「最」と、勤務姿勢評価「善」 。この毎年の成績審査は「 考(こう) 」(上々から下々までの9段階評価)と呼ばれましたが、古代官僚制では、これを一定期間(常勤なら六年に一度)毎に総合審査することで、昇階が決定されていました。
「律令」を紐解いていくと、 1300年前の叙位・加階は、定められたルールの下、ある程度機械的に計算されていたようです。

「求める人物像」に対する一人ひとりの成果、 在り様(ありよう)を正しく評価することは大切です。しかし、真に大切なのは、決して「評価」することを目的にするのではなく、その「評価」をいったい何につなげるのか、ということ。それは今も昔も変わるものではなさそうですね。

なお、昇階の他にも、「考(こう)」は、役職(ポスト)の決定や人事異動(適材適所)にも活用されていたようです。

【参考】一般的な「人事評価」の目的(処遇等への反映)

人の上に立つべき者とは

さて、上述のように、「考(こう) 」に基づく叙位・加階を根拠にして、役職(ポスト)も決定されました。

「律令」選叙令 4(応選条)より…。

4  凡応選者。皆審状迹。銓擬之日。先尽徳行。
   徳行同。取才用高者。才用同。取労効多者。

(意訳:
 ポストを与える際には、毎年の「こう考」の成績と行いの状況から審議せよ。
 選考にあたっては、まず徳のある勤務態度の者を優先せよ。
 勤務態度が似たような者である場合は、才能が高い者を優先せよ。
 才能が似たような者である場合は、勤続年数が長い者を優先せよ。

ただ単に「仕事ができる」だけでは人心は掌握できないからでしょうか。ポスト決定においては、勤続年数 (年功)より才能が、才能より人徳が重視されています。

最近の人事用語?のひとつに、「エンパワーリング 」という言葉があります。自らが力の源泉となって、メンバーの意欲・能力・自立心を引き出し、個人・組織の目標達成を目指すこと。つまり、自分が本気になることで、人や組織に力を与えること、です。

自分が本気になっていない人には、部下に力を与えることは決してできません。「人徳なき」「無気力」な上司を見て、どうして部下が誠実さをもって、やる気を発揮できるでしょうか。部下の勤務態度やモチベーションを高めたければ、まず櫂より始めよ、ではないでしょうか。

Q1 あなたは、自分の人生に『本気』ですか? (  )点 /5点満点
Q2 あなたは、自分の仕事に『本気』ですか? (  )点 /5点満点
Q3 あなたは、周囲の人々に『本気』ですか? (  )点 /5点満点

キレイごとを言うつもりはありませんが、私は、人事の世界からキレイごとをとったら、終わりだと思います。
人を動かせるのは、制度や仕組みではありません、やはり人です。

51 凡分番者。毎年本司。量其行能功過。立三等考第。

(意訳:
番上官は、毎年上司が、その勤務成績や行為の道徳性、才能の程度を勘案して、3段階(上中下)で考課をしなさい。

次回は、 1300年前の賃金システムをご紹介します。古代にはちゃーんと、ボーナスもあったんですよ。乞うご期待。

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