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【第四回】年に一度の一喜一憂?

最大の「関心事」といえば今も昔も

皆さんの会社でも、昨年度の人事考課が実施されている頃ではないでしょうか。「人が人の評価をする」――本来、神のみぞ許されたその業を、上司は部下の成長を信じ、願い、その業務のひとつとして為さなければなりません。できる限りの主観を廃し、より客観性を高めるべく、各社は、人事考課制度をつくりこみます。

今から約 1300年前にも、やはりの勤務評定の評価基準はありました。

「律令」考課令 50(一最以上条)より。

50  一最以上有四善。為上上。
  一最以上有三善。或無最而有四善。為上中。
  一最以上有二善。或無最而有三善。為上下。
  一最以上有一善。或無最而有二善。為中上。
  一最以上。或無最而有一善。為中々。
  職事粗理。善最不聞。為中下。
  愛憎任情。処断乖理。為下上。背公向私。職務廃欠。為下中。
  居官諂詐。及貪濁有状。為下々。…(以下略)

(意訳
 一最を満たし、かつ四善あれば上々とせよ。
 一最を満たし、かつ三善あれば、または(最なくとも)四善あれば、上中とせよ。
 一最を満たし、かつ二善あれば、または(最なくとも)三善あれば、上下とせよ。
 一最を満たし、かつ一善あれば、または(最なくとも)二善あれば、中上とせよ。
 一最のみ、または一善のみあれば、中々とせよ。
 職務はほぼこなすも、善が一つも聞こえてこなければ、中下とせよ。
 感情に任せて仕事を行い、仕事の処理判断が道理に背いていれば、下上とせよ。
 公に背き私事に向かい、職務が廃れて欠けるようなことがあれば、下中とせよ。
 官職にいながら偽り、貪欲で汚れた様が仕事に現れれば、下々とせよ。

「孝(こう)」と呼ばれた、このいわゆる評価基準には、第2回でご紹介した「最」と「善」 が用いられました。職務能力たる「最」と、勤務姿勢たる四つの「善」。「最」と「善」は採用基準であり、評価基準でもあったわけです。人間性が問われる「善」が重視されていることからも、「単に仕事ができればいいわけではない」という、今も昔も変わらぬ、「求められる人物像」が垣間みえます。

頑張った以上は報われたい!

要するに「最」と「善」の組み合わせで、上々から下々までの9段階評価だったわけですが、これは年間 240日以上勤務の「長上官(専任)」が対象、勤務日数が140日の「番上官(非常勤)」は上中下の3段階が用いられました。

「律令」考課令 51(分番条)より。

51 凡分番者。毎年本司。量其行能功過。立三等考第。

(意訳:
番上官は、毎年上司が、その勤務成績や行為の道徳性、才能の程度を勘案して、3段階(上中下)で考課をしなさい。

パートタイマーだって「評価してほしい!」です。そうそう、今年( 2008年)の4月から「改正パート労働法」が施行になっていましたね。昨今、均衡処遇が強く問われていますが、1300年前の方が短時間勤務者の活用が進んでいたのかもしれません。

【参考】アルバイト・パートをしている中で「どんな時に辞めようと思うか」

頑張った以上は報われたい!

私の思う私は間違いなく私ですが、人から見る私もやはり私。自分の背中は自分では見えない。自分の顔だって、何かに映さない限りは、一生見ることはできません。人事考課は第三者評価により、自分を理解する機会でもあります。

しかし、人事考課はその反映先が賃金や昇格昇給だったりするわけですから、上司の考課に納得いかないとなると、そこに不満が溜まります。制度が 100%の客観性を担保できるわけではないからです。

「律令」考課令 1(内外官条)より。

1 応考者。具録一年功過行能。並集対読。議其優劣。定九等第。(以下略)

(意訳:
一年の勤務成績や行為の道徳性、才能の程度をきちんと記録し、考課者が被考課者に対して、(考課結果を)読み示し、その後に9等の第を定めなさい。

【参考】人事考課の制度・運営上の問題点別企業数割合(複数回答)

【追記】この単語って!?

上述の「律令」の引用の後半、「また婦女は、未婚既婚、年齢を問わず…」のくだり。なんだか、「男女雇用機会均等法」を読んでいるような気になるのは、私だけでしょうか。

人事考課は、考課者が被考課者に同意を求めて読み合わせた上で本部に提出されました。考課というのは、根本は主観的なプロセスです。だから、完全な正確性はありえません。上司が真剣に考課をして、その結果をきちんと説明してくれたときに、部下は納得する わけです。

人の感情や欲というものも、時代を越えて変わらぬものであることを痛感しますね。

次回は、今回の延長で、こうした人事考課が、何にどのように反映されたのか、ご紹介します。

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